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「カセットテープ」再ブームの理由はなに?

「AppleMusic」や「Spotify」などのサブスクリプション方式のサービスで音楽を楽しむことが一般的になった現代。「CDで音楽を聴いたことがない」という人もいるかもしれません。

その一方で、近年音楽好きたちに再注目されはじめているのが、カセットテープ。一体なぜ、今カセットが流行しているのか、どのような魅力があるものなのか、紹介します。

そもそも、カセットテープって何?

カセットは1970年代~90年代初めまで、気軽に音楽を楽しめる機器として人気のオーディオメディア(音楽を再生する機器)でした。
手のひらサイズの薄型の四角い形で、目玉のように2つの丸い穴(リール)が空いています。カセットの内部には音楽を記録するための磁気テープが収められ、リールが回転することで再生や巻き戻し、録音などをすることができます。

デジタル音源のようなクリアな音ではなく、デジタルではカットされるような自然なノイズまで聴こえます。

どうして今、再注目されているの?

カセットは、曲ごとに飛ばして聴くことができないほか、所定の時間が経ったら裏返してデッキに差し直さないと続きが聴けないといった不便さがありました。
1990年代にCDが登場すると、カセットはすっかり忘れられた存在になってしまいます。ワンタッチで聴きたい曲をすぐに流すことができ、リピートもシャッフルもできるCDの登場は革命的でした。

ところがここ数年、再びカセットが注目を集めています。
たとえば、2014年にはアイドルグループのでんぱ組.inc、2016年にはロックバンドの相対性理論など、さまざまなグループがカセットテープで音源を発表しています。
また、2015年には東京の中目黒でカセットテープ専門ショップ「waltz」がオープン。以前よりカセットを気軽に購入できるようになっています。

こうした現象の理由のひとつとして、リアルタイムでカセットテープに触れたことがない世代が、独特な聴き心地やアナログ感に魅力を感じていることが挙げられます。
かつてカセットテープを使っていた世代が懐かしさから思わず手に取るケースもありますが、むしろリアルタイムで触れてきていない世代が物珍しさから使いはじめたということも大いにあるようです。
特に、レコードで音楽を聴く習慣のある人がその延長として試してみることが多いと推測されます。

他にはどんなオーディオメディアがあるの?

ちなみに、カセットテープ以前の1857年に発明されたレコードは、現在でも人気が高く、愛好家やアナログDJなどの間で愛用されています。
また、1990年代後半には、カセットテープよりさらに小型のMD(ミニディスク)が登場しました。小さなディスクがカートリッジの中に収まっており、CD音源を手軽にコピーできることから広く普及していました。

しかし、「mp3」などの音楽データを再生できるiPodをはじめとした「デジタルオーディオプレイヤー」が誕生して以降は衰退し、今では生産もごくわずかとなっています。いつか、カセットテープと同様、他のオーディオメディアが再注目される日が訪れるかもしれません。

Perfume(パフューム)やCAPSULE(カプセル)などの活動で知られる音楽プロデューサー・中田ヤスタカも、「レコードと同じように、mp3の音質もいつか懐かしいものとして楽しまれる時代が来る」という旨の発言をしています。

 

10年後や20年後、私たちがどんな手段で音楽を聴いているのかを想像すると、ちょっとわくわくしてきませんか?

(堀田隆大)

 

Writer
snacc編集部

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