ギターのコードはなぜ、CDEFAB……と並んでいるの?
2018/11/23 コラム
楽器を手にしたら、まずはドレミファソラシは弾いてみたくなるもの。
しかしギターの場合は一音一音でドレミを弾くより、6本すべての弦を使って奏でるコード弾きが基本になるうえ、そもそもドレミファソラシ…ではなく、代わりにCDEFGAB…というアルファベットが並ぶのが一般的。
しかも、「ド」がAだったらABCDEFG…ときれいに並ぶのとわかりやすいものですが、「ド」はCなので、CDEFGABとちょっとややこしい並びになります。
なぜこんなにややこしいことになっているのでしょう?
世界の音名
音名とは、音の高さを表す名前のこと。まずはいろいろな地域の音名表記をみてみましょう。
イタリア式 | Do(ド) | Re(レ) | Mi(ミ) | Fa(ファ) | Sol(ソ) | La(ラ) | Si(シ) |
アメリカ・イギリス式 | C(スィー) | D(ディー) | E(イー) | F(エフ) | G(ジー) | A(エイ) | B(ビー) |
ドイツ式 | C(ツェー) | D(デー) | E(エー) | F(エフ) | G(ゲー) | A(アー) | H(ハー) |
日本式 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
十二律(中国)式 | 黄鐘 (こうしょう) | 太簇 (たいそう) | 姑洗 (こせん) | 仲呂 (ちゅうりょ) | 林鐘 (りんしょう) | 南呂 (なんりょ) | 応鐘 (おうしょう) |
現在、日本式表記が音名として採用されることはほとんどありませんが、「ハ長調」、「イ短調」など、調を表す言葉としてわずかに残っています。
そしてお気づきでしょうか。日本式表記もまた「イロハニホヘト」の最初のイではなく、3番目のハが「ド」と対応しています。
これは、日本に西洋音楽の考え方が流入してきた際、アメリカ・イギリス式音名表記のABCDEFGにイロハニホヘトが当てはめられたため。つまり、CDEFGABの理由がわかればハニホヘトイロの謎も解けるはずです。
昔はラが基準の音だった
この不思議なズレの事情を調べると、音に名前を与えた中世ヨーロッパにさかのぼります。
当時は、Aつまり「ラ」が最低音として基準になっていました。そして低い順にABCDEFGとアルファベットを音名として当てはめていきます。
それから時は流れ、Cである「ド」が基準の音と考えられるようになりました。
まとめ
つまりまとめると、音名を定めた時代には「ラ」の音が始まりで、そこから順に振られたため、「ラ」がAとなり、シ、ド…と続くと「ド」がCになる。
時代が代わり「ド」が始まりの音となったため、Cから始まる音の配列が親しまれ続けているということです。
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