聴いているだけで脳がとろける「ASMR」ってなに?
2018/12/01 コラム
YouTubeには「ASMR」というタイトルがついた動画が多数投稿されています。
これらは楽曲ではなく、本の表紙を指でなぞる音やビニールテープを引っ張る音、キーボードをタイピングする音など、生活の中にあるさまざまな種類の音を収録したもの。
なんでわざわざそんな動画を? と思うかもしれませんが、ヘッドホンをつけて聴いてみると、音の響きに思わずゾクゾクしてくるはず。
こういった動画はアメリカや日本、韓国など、さまざまな国から投稿されており、人気の高いものでは2000万回以上再生されているものもあります。
また、前後左右から立体的に音が聴こえる「バイノーラル録音」で収録されたものが多いのも特徴のひとつです。
※バイノーラル録音とは?(記事リンク入る)
そんなASMRとは何なのか、どのようなタイプの動画があるのか簡単に解説します。
音から感じる不思議な心地よさ
ASMRとは “Autonomous Sensory Meridian Response” の略称で、日本語に直訳すると「自律感覚絶頂反応」という言葉になります。視覚や聴覚による刺激で、人をリラックスさせたり興奮させたりする生理的反応のことで、「脳がとろけるような心地よい感覚」とも呼ばれています。
「ASMR生活」というサイトによると、そもそもこの言葉が使われるようになったのは2010年ごろ。ニューヨーク在住のジェニファー・アレンという女性が生み出した造語だとされています。
医療用語のような言葉を用いたことに対して、当初は疑似科学だという批判もありましたが、ジェニファーは「誰もが公共の場でも使いやすい言葉にしたい」という思いで名付けたと語っています。
さらに古くは、2007年に医療系サイトの掲示板「WEIRD SENSATION FEELS GOOD」(心地よい奇妙な感覚)というスレッドが元になっているとのこと。以前から、音に特別な気持ちよさを感じていた人が多かったことが分かります。
ASMR動画ってどんなものがあるの?
人気のASMR動画といえば、「耳かき」です。バイノーラルマイクに装着された耳の模型を、綿棒や耳かきなどで優しくなでる音を録音しています。本当に耳かきをされているようなゾワゾワ感がたまらないという人が多いそうです。
また、スライムを使用した動画も人気ジャンルのひとつ。両手で揉んだり潰したりした際の、ベチャベチャ、グニュグニュとした音を楽しめます。上の動画では、スライムの中にビーズや砂、スパンコールなど、さまざまなものを混ぜ込んで、ハサミで切ったりフォークで潰したりしているので、バラエティに富んだ音を聞くことができます。
他にも川のせせらぎや雨音、草木の間を抜ける風の音など、自然の音を収録した動画も数多く投稿されています。屋内作業で疲れているときに視聴すれば、きっと心が和らぐはず。
シチュエーションや気分に合わせて、お気に入りのASMRを探してみませんか?
(佐藤広行)
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