よく聞く「リミックス」って一体何をしているの?「ブートレグ」や「リワーク」などとはどう違うの?
2019/01/05 コラム
CDを買ったとき、タイトルに「remix」とついた曲入っているのを見たことはありませんか? ストリーミングで聴いていた曲が、原曲だと思っていたらリミックス版だったなんてこともあるかもしれません。
どうやら原曲とは違うらしい、でも誰が何をしているのかはよくわからない。今回はそんな、「リミックス/remix」について解説します。
「リミックス」ってなんのこと?
リミックスというのは、オリジナル曲の素材を組み直したり加工して作る曲のこと。
クラブ向けに踊りやすくしたり、違うジャンル風にしたり。ボーカルは原曲とほぼ同じであるものの、メロディーやベースラインはまったく異なり、違う曲に聴こえる…ということもよくあります。
また、似たような用語に「ブートレグ/bootleg」、「リワーク/rework」、「エディット/edit」があります。
簡単に言えば、「ブートレグ」は非公式(許可なく勝手に作られた)なリミックスを指し、「リワーク」は大幅な曲の再編が伴うもの、「エディット」はたとえばアルバム収録バージョンとラジオバージョンといったマイナーチェンジを加えたものです。 さらには自分自身の曲をリミックスしたものを「VIPリミックス」と呼ぶこともあります。
リミックスの端折り歴史
1960年代後半にジャマイカのダンスホール文化から生まれたと言われていますが、本格的に広まったのは、その後のディスコ全盛期の1970年代中盤。
当時のDJは、客を踊らせ続けるためにサビ(hook)や盛り上がりどころを何度も流すといったことを手動でやっていました。
その中で、最初からDJが使いやすい形の曲が収録されたレコードが公式に発売されるようになり、そういったレコードをDJが多用するようになっていき、ディスコやクラブミュージックで一般的になっていきました。
【最初に公式発売されたりリミックスシングル】
“Ten Percent”, by Double Exposure (1976)
リミックス
リミックスの例 3選
と、リミックスがなんなのかをご理解いただけたところで、リミックスの名曲や最近話題のあのグループの人気曲から、厳選して3曲ご紹介したいと思います!
1. “MIC Drop” (Steve Aoki remix) (2017) (performed by BTS / Remixed by Steve Aoki)
今では韓国・日本とアジアのみならずTIME誌の表紙を飾るほど国際的な人気と熱狂を集めるK-POPグループ、BTS(防弾少年団)。
彼らを日本での人気を押し上げた一曲、「MIC Drop」をSteve Aokiがトラップのビートを加えてEDM仕様に! ミュージックビデオはリミックスバージョンで作られたものです。
リミックス
オリジナル(日本語版)
2. “Heads Will Roll” (A-Trak Remix) (2009) (performed by Yeah Yeah Yeahs / Remixed by A-Trak)
リミックスされてダンサブルになるのはポップソングだけではありません。
元々縦ノリ激しめのYeah Yeah Yeahsのヒットソング “Heads Will Roll” ですが、カナダのDJ/プロデューサーのA-Trakによるリミックスは今でもEDMフェスでのセットリストに頻出する定番チューン。
ロックやオルタナは普段は聴かないよ、という方でもこの曲で踊ったことがあるのでは。
オリジナル
※公式のビデオはオリジナルのみ
3. “Cinema(Skrillex Remix)” (2011) (performed by Benny Benassi feat. Gary Go / remixed by Skrillex)
Skrillexの人気曲の一つ、「Cinema」。実はこれはリミックスで、オリジナルのプロデューサーはハウス界の重鎮、Benny Benassi。
このリミックスバージョン、第54回グラミー賞の最優秀リミックス曲にも選ばれています。
リミックス
オリジナル
(Ah)
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