「YouTuberが出てきてから、ネットは陽キャラのものになった」――シバノソウインタビュー
2018/11/14 インタビュー
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学校に居場所を見つけられなかったこと。周りとの間に感じるズレ――自分自身が体験したことだけを歌う19歳のシンガーソングライター・シバノソウ。インタビューは今回で最終回。
前編:2010年代のサブカル少女の生きづらさ――シバノソウインタビュー
中編:キラキラした恋の歌は責任が取れない――シバノソウインタビュー
最後は、彼女を語る上で欠かせない要素について。学校に居場所を見つけられなかった彼女の支えとなった”外の世界”であり、彼女の感性を育てた場である”インターネットとの関わり方”について話を聞いた。
――ディープな音楽ファンであるご両親から教わる以外では、どのようにして音楽を聴き深めていたんでしょうか。
とにかくYouTubeでした。好きになったバンドの動画を出発点にして、関連動画をどんどん掘っていって好きなものを探しました。そこからSoundCloudやBandcampもチェックするようになっていって。今は調べようと思えばどれだけでも調べられる時代なので、ありがたいです。
――まさにですね。ですが逆に、インターネットが普及して以降、あまり音楽を深く掘らない人が増えたともよく言われています。
クラスメイトを見ていて常々感じていました。それには明確に理由があると思っていて、単純に情報が増えすぎたんじゃないですかね。情報が多すぎて何をあてにしたらいいのかわからなくなるのは、私にもよくわかります。
――シバノさんはどうして深く掘り下げる聴き方ができたんでしょうか。
そうですね……。たとえばナンバーガールだったら、SAKANAMONの動画を観ているときに関連動画として『鉄風鋭くなって』という曲がサジェストされたのをきっかけに知ったんですけど、初めて聴いたときは「何これ怖い!」って思ったんです。でも、何度も聴いているうちに楽しめるようになっていきました。自分の知らないことがあるのがイヤというか。
――違和感を楽しめたんですね。
でも、やっぱり私みたいなのは一般的じゃないとは思います。同世代のみんなとは、YouTubeやTwitterの使い方が違うというか、オタクなんで(笑)。私も他のクラスメイトも”ネット”って言葉を使ってたけど、その言葉の意味が私と周りの子とでは違ってたんだろうなって。
――というと?
YouTuberが出てきてからは特に、ネットが陽キャラの人のものになったって感じるんです。ネットがなくても生きていける人たちというか。
――昔はもっと、他に居場所がないような人が多かったと。
そうですね。私自身そういう陰キャラの人達が主流の時代のネットで育ったので、オタク精神ものすごく強いです。「彼女と〇〇なうに使っていいよ」とかあったじゃないですか。ああいうの本当に無理! ってなったし。あとは(以下、しばらく陽キャラインターネットユーザーへの呪詛が続く)
――まあまあ、それくらいにしましょう。
まだまだ話は尽きないんですけど……。そういえば、初めてクラブへ行ったのは、私みたいな”陰の者”たちが好む音楽を中心に流す昼のイベントだったんですけど、意外と陽キャラっぽい人多くて。怖気づいちゃって、会う約束してた相互フォローの人と端っこの方で「Twitterの◯◯さんですよね?」とかこそこそやってました。
――かなり”陰の者”っぽいエピソードですね。
そんな人間が今では人前に出てライブやってるって思うとすごくないですか?
――真面目な話、そういったシバノさんの姿を見て救われる人も間違いなくいますよね。
そうですね。そう思ってもらえれば本当にうれしいです。今って、そういう人たちに向けてお渡しできるコンテンツが少なくて申し訳ないなって思っていて。今、私に興味を持って掘ってみても、音源もインタビュー記事もまだあんまりなくて、よくわからないと思うんです。
なので、これからがんばって音源たくさん作って、インタビューたくさんしてもらって、自分に関するコンテンツをどんどん世の中に増やしていきたいですね。
[PROFILE]
シバノソウ
■公式サイト:http://shibanoso.com/
■公式Twitter:https://twitter.com/soshibano
[リリース情報]
シバノソウ 1st mini ALBUM 『EVERGREEN』
■販売サイト:https://tower.jp/item/4774557
収録楽曲
1.「EVERGREEN」
作詞 作曲 シバノソウ 編曲ヤブユウタ(SEVENTEENAGAiN)
2.「青がにじむ頃」
作詞 作曲 編曲 中村もも(shuto)
3.「スクールフィクション 」
作詞 作曲 シバノソウ 編曲 that’s all folks
4.「18歳」
作詞 作曲 シバノソウ 編曲 that’s all folks
5.「毎日が夏休み」
作詞/作曲シバノソウ 編曲 管梓(For Tracy Hyde)
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