好き勝手やるくらいでちょうどいい「人前に立つことにようやく慣れた」その先――サクライケンタ インタビュー
2018/11/22 インタビュー
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変拍子を多用するなど、ズバ抜けて個性的な音楽を生み出しているサクライケンタが、現在「メインの出力先」と語るのが、Maison book girl(ブクガ)だ。
4人組のガールズグループだが、彼女たちのステージは一般的なアイドルとは大きく異なる。ファンとのコール&レスポンスで盛り上がるような曲もなければ、MCも必要最小限しか行われない。
また、最新アルバム「yume」は、半分近くが彼女たちの声が入らないインスト曲だ。
サクライケンタはブクガをどのような存在として捉えているのか。
やりたいことを自由に、ちょっとポップに
――サクライさんにとってブクガとは、どんな存在なんですか?
いまは自分のメインの出力先だと思っていて。ほかのグループとかに楽曲提供をするときは、聴いてもらう人のことをけっこう考えてるんですけど、ブクガに関しては好き勝手にやるくらいでちょうどいいのかなと思ってます。
――アーティスト名はサクライケンタで、歌とダンスをブクガの4人が担当しているイメージがあります。
なるほど。5人目のメンバーみたいなことはたまに言われます。
――メンバーのコショージメグミさんが「私たちはグループとしての感情表現みたいな部分を担えたら」と言っていて、すごく納得しました。
もともと自分がステージに出てやるタイプではないと思っていたので、ブクガの4人に対して、自分の代弁者みたいな気持ちはありますね。いまは大森靖子さんのバックバンドをやったり、カオティック・スピードキングというバンドを組んだり、少しは人前に立つことにも慣れてきましたけど。
――この4人である理由については、どうお考えですか?
すごくバランスがいいと思っています。声もそうですし、ステージングとかを考えても。この4人でやっていて、どんどんよくなっていくのを目に見えて感じているので、僕も相乗効果的にもっとよくなっていく気がしています。
――サクライさんがやりたいことを4人にやらせる面もありつつ、4人から刺激を受けてサクライさんが曲を作っている?
それはもちろんあります。特にライブを見るとインスピレーションを受けて、もっとこういうことをやりたいというアイデアが出てくるんです。
――4人の声も意識して作られていると思うんですけど、どういう使い分けをされているんですか?
曲にもよるんですけど、自分のなかで担当みたいなものが決まっていて。和田(輪)は安定して歌えるので、曲の入りやAメロからBメロに切り替わるところで使うことが多いです。ちゃんと譜面通りに歌えるというか、メロディーでわかりやすく伝えることができるので、楽器みたいに使いやすいんです。
コショージはほかの3人とは違って、わりと感情的な歌い方をするタイプです。だから、言葉に気持ちを入れたいところで使うことが多いですし、サビでユニゾンしているところでも、コショージの声が混ざることで感情的な部分が出るなと思っています。
(井上)唯ちゃんは音程によって声質が変わるんです。特に高音をサビで混ぜたときに、それがいい具合の効果を発揮するなと思っています。
(矢川)葵ちゃんは、昔は棒読みの歌い方だったんですけど、最近は感情的にも歌えるようになってきていて。それも上に行くタイプの感情じゃなくて、下に行くタイプというか。だから今回のアルバムでは、落ちサビをソロで歌ってもらったり、感情のゆらぎみたいなところで使いました。
――ブクガは結成当初から一般的なアイドルとは一線を画している感じでしたけど、いまはそれがどんどん強くなっている気がしています。
そうですね。アイドルかどうかはどうでもいい、っていう言い方はおかしいかもしれないですけど、自分ではアイドルという感覚では作ってないです。
――今後どうに展開していきたいですか?
聴いたことないような曲だったり、見たことないような世界観だったり、Maison book girlにしかできない表現があると思うので、それをかたくなに続けたいなと思います。もっともっとクオリティを上げて、新しいものも見せていきたいですね。
(取材・文=タナカヒロシ/写真=石垣星児[BLOCKBUSTER])
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■sessions(写真コンテンツ)
コショージメグミ(Maison book girl)- sessions 003
和田 輪(Maison book girl)- sessions 003
井上 唯(Maison book girl)- sessions 003
矢川 葵(Maison book girl)- sessions 003
■quickbite(動画インタビュー)
Maison book girl – quickbite 003
[PROFILE]
サクライケンタ
大阪府生まれ。音楽家。株式会社ekoms代表取締役社長。2014年に始動したMaison book girlのほかに、2016年にはピエール中野(凛として時雨)らによるバンド、カオティック・スピードキングにギタリストとして加入。大森靖子のバンドメンバーやアレンジも務める。同社ではクマリデパートやZOCも所属。楽曲提供として二丁目の魁カミングアウトや他アーティスト、映像のBGM制作も精力的に行う。
Maison book girl(メゾンブックガール)
矢川葵、井上唯、和田輪、コショージメグミによる4人組グループ。サクライケンタが楽曲から世界観構築まで全面プロデュースを行い、2014年に結成、2016年11月メジャーデビュー。2018年5月にはイギリスで行われた国際音楽フェス「THE GREAT ESCAPE FESTIVAL2018」に日本代表として出演。
■公式サイト:http://www.maisonbookgirl.com/
[リリース情報]
Maison book girl 「yume」
2018年11月21日(水)発売
■特設サイト:http://www.maisonbookgirl.com/yume/
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価格:4,860円(税込)
仕様:2CD(CD+AL inst)/LPサイズケース
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[イベント情報]
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・日時:11月25日(日)
Solitude Hotel 6F hiru 12:00 OPEN / 13:00 START 立見
Solitude Hotel 6F yoru 18:00 OPEN / 19:00 START 座席指定
・会場:日本橋三井ホール
・チケット:前売り4,500円/ 当日5,000円
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