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『女々しくて』以前のゴールデンボンバーが作っていた大御所パロディ曲、知ってる?

楽器を弾かない「エアーバンド」というスタイルとコミカルなパフォーマンスで話題を呼ぶゴールデンボンバー。

ヒット曲『女々しくて』で一躍脚光を浴びた印象の強い彼らですが、実はそれ以前からニコニコ動画を中心としたネット上でカルト的な人気を博していたことをご存じでしょうか?

以前の彼らは、過激なパフォーマンス動画で注目を集めおり、ある意味早すぎたYouTuberのような存在だったのです。

かつてゴールデンボンバーはパロディ芸で人気を集めていた

ゴールデンボンバーは、鬼龍院翔、喜矢武豊、歌広場淳、樽美酒研二の4人からなるヴィジュアル系エアーバンド。愛称は金爆(きんばく)。全楽曲の作詞、作曲は基本的にすべてヴォーカルの鬼龍院翔が手掛けています。

かつてニコニコ動画で注目を集めていた彼らは、おかしな格好で体を張る企画を中心に動画を多数アップロードしていました。

喜屋武豊が顔を黄緑色に塗り全身タイツに身を包んで様々なスポーツに挑戦する「ガチュピンチャレンジ」や、歌広場淳がバンギャル(ヴィジュアル系バンドの女性ファン)の格好でヘッドバンギングを指南する「バンギャル代表・淳子@れいたの嫁」などの名物キャラクターが生まれていました。

当時の彼らの活動は体を張ったものにとどまらず、音楽面でのチャレンジでも笑いを誘うのものでした。

中でも際立っていたのが、さまざまな大物バンドのパロディ楽曲のみで構成されたコンセプトミニアルバム『イミテイション・ ゴールド~金爆の名曲二番絞り』です。

『イミテイション・ ゴールド~金爆の名曲二番絞り』

『女々しくて』のリリースは2009年10月21日。それより半年以上前の2009年1月1日に発売したのが『イミテイション・ ゴールド~金爆の名曲二番絞り』。この頃はまだ樽美酒研二が加入前で、天空城団吉というメンバーがいました(現在は脱退)。

このミニアルバムには、名だたる有名アーティストたちの詞や曲の癖をパロディした、絶妙に「それっぽい」曲が5曲収録されています。
あからさまなパロディ曲もあれば、アーティストの世界観も含め非常に巧妙に作られている曲もあり、それでいてどの曲もパロディ要素なしでも成立する上質なポップミュージック。

今回はそんなミニアルバムから、厳選した3曲をご紹介します。

1.『ultra PHANTOM』

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こちらはB’zのパロディ曲。タイトルの元ネタは『ultra soul』と『LOVE PHANTOM』でしょう。音の面では上記の2曲のほか「STAY GREEN~未熟な旅は止まらない~」の要素も色濃く感じます。

囁くようなコーラスの「ウル!トラ!ファン!トム!」など、B’zの曲で聞いたことのある要素を抽出するセンスがさすがです。
ちなみに英語詞部分は、過去の曲名を組み合わせて作っていると推測できます。

他の部分も、どの曲の要素が使われているか探しながら聴いてみると、芸の細かさに驚かされることでしょう。

2.『万の夜をこえて』

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曲名からしてなんともわかりやすいパロディ。Aqua Timezの『千の夜をこえて』と『一万回のラブソング』をかけ合わせたタイトルと推測できます。

A・Bメロでは音数を抑え、サビではストリングスが加わり壮大になる構成など、Aqua Timezらしさのツボを的確に掴んだ作曲。

作詞の面では、『ultra PHANTOM』のように既存曲の要素を継ぎ接ぎした面より、Aqua Timezの世界感自体を憑依させて書いたような面が目立ちます。自分の不器用さを強調したうえで、言葉以外の方法で愛情を示すという筋立ての歌詞が実にAqua Timezっぽい。

ちなみに、のちにAqua Timezと音楽番組で共演し、本人たちから「パクっただろ」といじられた際には、メンバー全員終始とぼけ通していました。

3.『TSUNAMIのジョニー』

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こちらもタイトルでおわかりでしょう、元ネタはサザンオールスターズの『TSUNAMI』と桑田佳祐の『波乗りジョニー』。上記の2曲のほか、イントロには『希望の轍』のエッセンスも感じます。

歌詞では最後の最後に「茅ヶ崎」(桑田佳祐の出身地)って言っちゃってます。この曲もまたパロディを隠す気がない潔さがあります。

曲・詞ともにやはり高いパロデイセンスを感じる反面、歌マネは絶妙はクオリティ。しかし「桑田佳祐ならこう歌いそう」という節回しはしっかり踏襲し、シャウトのタイミングもばっちり「サザンっぽい」のはさすがです。

 

以上、『イミテイション・ ゴールド~金爆の名曲二番絞り』から3曲をご紹介しました。
同作品には他にも2曲、Gacktのパロディであろう『ANOTHER MELODY』とCHAGE and ASKAのパロディと考えて間違いなさそうな『SAY NO』が収録されています。

これを機にぜひゴールデンボンバーの芸の幅広さに触れてみてください。

 

平石 ゲル
Writer
平石 ゲル

ライター。音楽・ファッション・エンタメ系メディアに寄稿。

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