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Aqua Timez・太志が描く「孤独」ーー15年の活動を通して生み出し続けてきたものとは

2003年に活動を開始したロックバンド・Aqua Timez。2018年11月18日にラストライブを終え、多くの人に惜しまれつつ解散しました。

Aqua Timezといえばアニメやドラマのタイアップも多く、特にブレイク真っ只中にあった2006年から2009年にかけて、中高生を中心とする若い世代にかなり認知されていたバンドです。

そのため、青春をAqua Timezに支えられてきた人たちからも、解散を惜しむ声が多くあがっています。彼らが若い世代に強く支持された理由は一体どんなところにあったのでしょうか。

共感のカギは太志が描く「孤独」

Aqua Timezは15年の活動を通して、常に「孤独」をテーマに作品を生み出し続けてきました。

こ‐どく【孤独】
①みなし子と老いて子なき者。太平記(33)「窮民・―の飢ゑをたすくるにもあらず」→鰥寡(かんか)孤独。
②仲間のないこと。ひとりぼっち。「―感」
(広辞苑 第七版 株式会社岩波書店より引用)

改めて辞書を引いてみると、やはり寂しい意味ばかりが載っています。では、ボーカルの太志はどのように「孤独」を解釈しているのでしょうか。彼はAqua Timezのオフィシャルブログで、次のように言及しています。

「うまくいかないことが連続するとなんだか心に穴があいたみたいで一人ぼっちになるな。誰といても独りみたいな自分勝手な孤独を感じる。(中略)自分はできない奴だと思えてきて、どん底を自分で作ってそこにもぐる」
むきりょく – AquaTimezオフィシャルブログ より)

これが太志の解釈する「孤独」。Aqua Timezで数多くの楽曲制作を手掛ける彼は、自身の考え方を歌詞にも反映させています。

大ヒット曲にみるAqua Timezらしさ

映画『ブレイブ・ストーリー』の主題歌に起用され、彼らの代表曲にも数えられる『決意の朝に』

以前、太志は「もしバンドを辞めなきゃいけないってなって一番最後に歌うとしたら」と前置きしてこの楽曲を挙げていました。実際、今回のラストライブでアンコールを飾った曲のうちのひとつです。

さて、ちょっと歌詞を見てみましょう。

「一生懸命になればなる程 空回りしてしまう」というフレーズが出てきます。

自分のせいで試合に負けてしまったとき。ノルマが達成できなくて上司にこっぴどく叱られたとき。あるいは、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまったとき。

こういうことが続くと、「頑張れ!」などと言われても頑張れなくなってきます。だって、自分の中はずっと頑張り続けているつもりだから。

「頑張れ!」と言われることでもっと焦って、孤独に感じてしまうわけです。心に成長途中ゆえの不安定さを抱えた中高生ならなおさらです。

でも、このフレーズは「それもまたいいんじゃない? 生きてゆくことなんてさ」と続きます。

頑張っている自分も結果を出せない自分も、丸ごと肯定してくれるのが太志の歌詞なのです。

今の自分を肯定できたなら、また頑張ることができるはず。「そういうところがいつもの太志らしくて、それはイコールAquaらしい曲ということ」と、メンバーも太鼓判を押しています。

学生時代にファンだった方もこれまでAqua Timezを知らなかった方も、孤独を感じたときは聴いてみてください。『決意の朝に』のほかにも、あなたのための処方箋のような楽曲がたくさん見つかることでしょう。

(恒記)

(追記:2018年12月27日)
記事タイトルにて、太志さんの漢字を「大志」と記載しておりましたが、正しくは「太志」でしたので訂正いたしました。
ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係者の皆様には深くお詫び申し上げます。

Writer
snacc編集部

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