MP3やAACってなに? 使うならどっちを選べばいい?
2018/12/07 コラム
音楽はレコードやCDを経て、今はスマホにデータをいれたりインターネット経由でストリーミング再生して聞くことが増えました。
そんななか気になってくるのが音楽ファイルにくっついているMP3やAACという言葉。これは一体何なのでしょう?本記事ではこの2つの言葉について解説します!
MP3やAACは非可逆圧縮
MP3やAACはざっくりいうと音楽をデジタルファイルにしたときの形のこと。MP3という形やAACという形にはそれぞれ特徴があるのですが、共通して言えるのはどちらも非可逆圧縮の音源であることでしょう。
非可逆圧縮、つまりデータ容量は小さくなるものの、データの欠落が起きて元には戻せない方式なのです。ただ、この欠落する部分は人間には聞こえにくい超高音部分がほとんどなので、ボーカルの声が一部ないなんてことにはなりません。安心してください。
対応機器の多いMP3
MP3はMPEG1 Audio/Layer3という正式名称で、生まれたのはなんと1992年! けっこう古い形式です。
当時はインターネットも今とは全く違っていました。「速度制限でスマホの通信が低速になった」という速度とはまるで比べ物にならないレベルの低速でのやりとりが当たり前だったといえば、その恐ろしさがわかるのではないでしょうか。
そんななかでは、ファイルの容量をいかに小さくするかが重要で、そのために生まれたのがMP3という圧縮形式なのです。ファイル容量を小さくすることを目的に音質を犠牲にした形式といっても差し支えないでしょう。
とはいえ、MP3のなかでもビットレート(単位はbps)という1秒あたりのデータ量を320kbpsなどにしてあげれば、音質は多少改善されます。あとで解説するAACもこれは同じです。
MP3は古い形式なのですが、これは逆にいえば普及率がかなり高い形式。対応機器はほぼすべてと言っていいほどで、どの端末でも問題なく使えるというメリットがあります。
MP3の後継といえるAAC
AACの正式名称はAdvanced Audio Coding。MP3の後継ポジションとして1997年に生まれました。その後も改良が加えられ、いま使われているAACは2006年のAAC-HE V2になっています。
一般的に同じ圧縮率ならMP3よりもAACの方が高音質と言われていて、テレビの地上デジタル放送などにも利用されている形式です。
iPhoneを製造しているAppleはAACの利用に積極的。iTunesStoreのダウンロード販売はAAC/256kbpsとなっていて、CDをiTunesで取り込むときも標準ではこれになっています。
MP3に比べると対応機器は減りますが、それでもほとんどの端末で再生できます。
他にもある音楽ファイル形式
音楽ファイル形式は他にもあります。有名なのは可逆圧縮のFLACやAppleロスレス、非圧縮のAIFFやWAVです。可逆圧縮は非可逆圧縮の反対で元に戻すことができる形式。したがって音は劣化しないのですが、圧縮率は非可逆圧縮に劣ります。非圧縮は音も容量もそのままの形式です。
MP3とAAC、どっちがいい?
いまはインターネットの通信速度もあがってるので、MP3やAACの出番は一見するとなさそうです。しかし携帯会社のデータ通信量による制限もあるので、大きなサイズの音楽ファイルをインターネット経由で聴くわけにはいきませんよね。
じゃあ端末に保存しておけばと思いますが、今度は端末のデータ領域がパンパンに膨れ上がってしまいます。そんな事情もあって、MP3やAACの形式はまだまだ現役。ではこの2つ、どちらを選べば良いのでしょう?
諸説ありますが、これはやはりAAC。後発なだけあって音質も非可逆圧縮のなかでは良い方、かつ、データ容量も抑えられて良いと思われます。AACに非対応の機器を使っている場合に限ってはMP3一択ですね。
(ジョン)
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